セ・トレボン --VOL.5--
早いものでもう3カ月
2002.10.10

 あっという間に10月に入り、月日が過ぎるのは早いなあと感じています。よくお客様からイルムス閉店からずっと探してたのよ。とかまたこのパンが食べれてうれしいわというとても有難いお言葉を頂きます。イルムスが閉店したのが去年12月末、もうすぐ1年になるのかと思うと信じられない思いです。このBoulangerie cest TRES BONという新しいお店で、またイルムスの頃のお客様と再会でき、パンを食べて頂ける様になってほんとによかったなあとしみじみ感じています。そして、新たにパンの魅力にとりつかれてしまった新しい平尾のお客様とも出会えてほんとうにうれしく思っています。心から有難うという思いです。

作っているスタッフについていろいろと

フランスでは、パンが主食ですので、日本人がごはんを必ず食事の時に食べる様にフランスの家庭では必ず食事の時、テーブルの上にはパンがあります。バゲットが一番多いと思いますが、ライ麦入りのもの、穀物がいっぱい入ったもの、ソバ粉配合のもの、カンパーニュなどパンそのものの味わいを楽しむものが並びます。フランスのパン屋さんに並んでいるパンの種類はすごくシンプルで、ハード系の食事パンブリオッシュ生地のもの、クロワッサン生地のもの、キッシュ、タルト、焼菓子などです。ブリオッシュ、クロワッサン系は朝や昼、カフェオレボールのたっぷりのコーヒーを片手に、手軽に食べているのを見かけます。食卓にのぼるのは、ハード系の食事パン、日本のごはんの様なものです。ごはんにも上質のおいしい高いもの、安いあまりおいしくないものとある様にパンもそうですね。

トレボンのパンはそんなフランスの香りを想像することができます。少量のイーストでじっくりとねかせ、小麦粉の甘みのあるおいしさをひきだしたレトロドールバゲット、自然発酵種を使用することによって独特のうまみをプラスしたフルートやペイザンなど生地そのものを味わうパン。感じてみて下さい。その深いおいしさを。

思いつくままに

●フランスのお菓子屋さんで働いた時、はじめ卵をみてびっくりしました。日本で卵というと白くてきれいなものというのが常識です。しかし、そのフランスの卵は違いました。いかにもとれたて新鮮!!という感じでしたが、フンまみれなのです。カラが入らない様注意して割る様に指示されましたが、フンがついて入ってしまっても大丈夫なのかなとすごく心配になったものでした。

●冬と言えば、バンショー(温かいワイン)Vin chaud。あったかい赤ワインです。甘くてシナモン、アニス、オレンジなどの香辛料が入っています。冬のアルザスのマルシェドノエル(クリスマスの屋台)で初めて飲みました。ものすごく寒い冬の夜、これを飲むととても温まりました。パリのグルニエアパンで働いた時、タルトにのせるフルーツを香辛料とともに赤ワインにつけ込んでいました。このつけ込み液はバンショーなんだとシェフが教えてくれ、飲んでみろと一杯わたされました。確かに濃めのバンショーでした。数口飲んで仕事をしていたのですが、シェフがぶつぶつ・・・・聞くと勧められたものは全部飲み干すのが礼儀とのことおいしくないのかと言われ、いや違うとあわてて一気飲みしました。

●スタッフ募集をVOL.4で書きました。たくさんの応募がありびっくりしました。トレボンでパン作りを学びたいと思ってくれる人がいて、ほんとうにうれしく思いました。私は誰かの下についてパン作りを学びたいというのがずっとの思いでした。しかし、願いはかなわず、自分で学ぶしかありませんでした。だからフランスへ何度も渡り向こうのいくつかのパン屋さんで働いて多くのことを吸収し、このトレボンのパンを作り上げてきました。今では、たやすく教えてもらえる環境にいなかったことがよかったのかなと思えています。多くの仲間にも出会えましたし、多くの喜びをもらえましたから・・・。要はどんな環境の下でもいかに自分が、がんばるかです。今は、トレボンで大きな夢をもったパンの作り手を育てることができたらいいなと思っています。

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