セ・トレボン --VOL.26--
私を救ってくれたことば
2003.12.19
 あっという間に今年も終わりそうでほんと時の流れのはやさを感じます。去年の年末トレボンで過ごしたことが、つい最近のことの様に感じます。1年ってものすごく長そうだけど、あっという間に過ぎるのですね。

食べてみてほしいパンの紹介

●パンアラビエール ¥280 小140 土、日限定で作っているパンです。
フランス、アルザス地方のスペシャリテ。生地にはじゃがいもを練り込み、ビールを使った上がけをかけて焼きます。上がけの香ばしさと中のしっとり感がとてもおいしいパンです。アルザスでは、食卓に無造作にのり、料理と一緒にワインやチーズと一緒に家庭で食べられていました。私はスライスして焼いて食べると香ばしさやむっちり感が増すので、トーストしてバターをぬって食べるのが好きです。ぜひ、アルザスに思いをはせながら食べてみて。
●セザム ¥230 ごまとクリームチーズをルヴァンバゲットの生地と合わせました。
ごまとクリームチーズのマリアージュもいいけど、ごまがすっごく香ばしくておいしいよ!
●パンノアール ¥320小160
私の心のパン。いろんな思いが込もったパンです。見かけは黒くて地味だけど、フレッシュの野菜とハムを合わせてサンドイッチにしたり、たっぷりめのバターをぬって食べるだけでもおいしい。チーズをのせたり、オープンサンドにして料理の土台にしてもおいしい。穀物がぎっしり入ってて体にもいいし、味は以外にくせがなく食べやすい。ぜひ一度は食べてほしい一品です。

 最近、いろいろと悩むことがあり、考えると眠れなかったり、苦しい思いをすることがありました。そんな時、あるお客様からの手紙がすっごく気持ちをすくってくれました。何度か通信でも書いてきた亡くなられた___様の奥様からの手紙でした。
「先日は、パンを送って頂きまして有難うございました。私の姉の家に兄や姉、その連れ合い、おいやめいが集まったのですが、大好評!主人の大好きだったパンを皆がおいしいおいしいと言って食べてくれ、また送ってもらって欲しいと言っていました。とても嬉しかったです。大変なこともたくさんおありだと思いますが、どうぞおいしいパンを作り続けて下さい。」
この内容にもものすごく励まされたのですが、この手紙の裏にある言葉が書いてありました。
「この道をまっすぐ行こう。きっと何かが待っているはず。」
いろいろな迷い、このままでいいのか、これからもこんな苦しい思いをしていくのだろうか。いろんなことを悩んで自信を無くして苦しくてたまらなかったです。そんな時この言葉に出会いました。何度も読み返して涙がにじみました。きっと天国から___様ががんばれ!負けるな!と励ましてくれてるんだろうなぁと思いました。
 そんな時、私の母もこんな言葉をくれました。一休さんが亡くなる時に弟子達に、どうしようもなく困った時に開けなさいと言って箱を残したそうです。それから6年後弟子達がその箱を開けた時、一通の手紙が入っていたそうです。それには、「なるようになる。心配するな」と書いてあったそうです。たったその一言………。
でも、すごく私の心にも浸みました。
 トレボンでパン作りを学びたいという人から電話や手紙をたくさん頂く様になりました。トレボンで働くスタッフもみんな夢を持ち、パン作りを学ぶ生き生きとした人達です。そういう人たちをできる限り応援してあげたいと思っています。でも、私は自分自身もっともっと学びたいといつも思っています。新しいことをいっぱい吸収したい、知りたいとあこがれています。どこへでも自由に行っていいと言われたらきっとフランスへ長期で修行に行くと思います。でも、私には今置かれている場所での責任があります。トレボンのパンを買いに来て下さるお客様のために幸せを感じてもらえるパンを焼いていきたい。物事には、時期があると思います。そういう時は、きっと来る。だから今できることを、自分の与えられたその場所で精一杯がんばる、それが一番なのだと信じています。

 一年に一度、短期ですがフランスのパン屋さんへ勉強に行きます。それが一番の楽しみかな。今の立場からときはなたれ、一番の下っ端としてパン屋に入り、新しいことを吸収する。新しい仲間との出会い、あまり言葉の通じない中での心の触れあい、言葉ではあらわせない感動があります。これからもいろんな人との出会いを大切にしていきたい、多くの刺激を受け、いっぱい感動したい。それが私の夢かな。                           K.O.

毎月第3水曜日を定休日とさせて頂いています。

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