セ・トレボン --VOL.46--
パン屋の会を設立しました
2005.5.16
 最近、パンを作る仕事に携わる女性が増えてきたと感じます。講習会などに参加しても、多くの若い女性を見かける様になりました。今まで男性が多かったパンを作る仕事であるので、実際に仕事として働くと、労働時間や体力的な面、価値観の違いなどから長く仕事を続けていくことができる女性はまだまだ少ないのではないかと感じています。先日も、パン屋さんで働く女性が相談に来ました。いろいろと悩んでいる様で、朝早くから夜遅くまで働き自分の時間もない毎日を続けていると、ふと何のために働くのだろうかと考えることがあると思います。
 「大西さんは何のためにパンを作っているのですか。」とその時、聞かれました。私は、トレボンのパンを愛し買いに来て下さるお客様のためにパンを焼きたい。パン職人を目指し、トレボンでがんばっているスタッフの人生の広がりに少しでも手を貸したいと思っています。そこに私の存在する価値があると思うのです。しかし、一番はこの仕事を通して、多くのことを学び成長できたことです。苦しいことも多いし、悩むことも多い、きついし、ねむい。だけど、喜びも感動もいっぱいいっぱい味わってきました。
 同年代の福岡のパン屋さんが集まって会を立ち上げました。田主丸にあるシェサガラのオーナーシェフの相良氏を代表幹事とし、タンドルマンのオーナーシェフ渡辺氏、そして私が幹事を務め、会を運営しています。今月も、仲間で集まって勉強会をするのですが、普段もいろんなこと相談したり、協力したりしています。そういう仲間の集まりがあります。私は女性でパン屋のシェフとして働く一人として、女性のパン職人の方の力になれればと願っています。この会に興味のある方は、ぜひ私に声をかけて下さい。将来のこと、悩んでいること、少しでも力になれればと思うのです。

フランスの旅 こぼれ話

生きててよかったー
 フランスノルマンディー地方のエトルタ。何年も前からいつかは行ってみたいとあこがれていた場所でした。モネなど多くの画家によって描かれている場所です。海に切りたった岩肌がそびえ立ちます。夏バカンスの季節になると多くの人が訪れる避暑地の様ですが、今回訪れた4月はまだ少し肌寒く、列車を降りて駅からのバスもなかったりと、エトルタにつくのにとてもドキドキ苦労し、かつ1時間しか滞在できなかったのですが、エトルタの海岸に立った時“生きててよかったー!”と思わず声を出してしまうほどでした。普段の忙しい毎日はこの時の感動のためにあったのかと思えるほど心に浸み込む風景だったのです。たた1時間だったけど、エトルタの海岸を散策し、岩壁の上に登り、ノルマンディーに来たのだから本場のシードルを飲まなくてはとビストロに入って食事もして、めくるめく充実した旅となりました。

有名人?
 ユーロパンの会場で、MOFのムニエ氏は釜の会社のブースでデモンストレーションをしていました。久しぶりに再会し、話をしていると雑誌のカメラマンの人が2人のショットを載せるからと言って写真を数枚とりました。次の日またそのブースに寄ってムニエさんに話しかけると、“かおり、お前有名人になったぞ”と言うので、何だろうと思うと、会場中に配布されている雑誌の中心面にムニエ氏と私の2ショットが載っているではありませんか。ほんとにびっくりしました。でもうれしくてみんなに見せびらかしましたが…。

メデール氏とパン屋めぐり  1月に働いたメデール氏のパン屋に遊びに行きました。するとまたパン屋めぐりをしてくれると言うのです。これで、メデール氏とのパリパン屋めぐりは3回目、ほんと感謝しています。なんでここまでよくしてくれるのだろうと頭が下がります。たぶん私は自分の店以外日本の他のパン屋さんにはあまり足を運びませんが、パリのパン屋さんは、けっこう有名なところを制覇した気がします。今回はいろんなお店のバゲットを食べ比べました。どこも特長がすごくありおいしかったです。今回は18区、20区を中心としてまわりました。サクレタール寺院の周囲には、パン屋さんが数多くあるので楽しいですよ。今回訪れたパン屋さんを紹介しますので、行く機会のある方はぜひ寄ってみて下さい。

Boulangerie SANNNA(サンナ)
3,rue du Retrait 20
メトロの駅 Gambecca(ligne3)
7:30〜20:30(土曜日は〜14:00)
日曜休
2005年のパリバゲットコンクール1位のお店です。第一印象小さくてえっと思いましたが、バゲットはBiencuit(よく焼き込んであって)おいしかったです。
こんなに小さくて普通っぽいお店でも、毎日おいしいパンを焼く努力をしてるんだろうなぁと感じました。オリーブとベーコンが入ったケーク●●もおいしかった。

Boulangerie AU140(オソンキャ●ト)
140,rue de Belleville 20
メトロの駅 Jourdain(ligne11)
7:00〜20:00(日曜日5:30〜13:30/16:00〜20:00)
月・火曜日休
ここの商品はすべてにおいてしっかりていねいに作られているという印象を受けました。バゲットはクラストがすごく厚く、クラムはソフトで味わい深かったです。ライ麦パンは(天然酵母パン)はほどよい酸味でずっしりと重く、その重さで持っていたビニール袋がちぎれるほどでした。隣にあるお菓子屋さんのケーキも美しくおいしいですよ。

Boulangerie PIERRE(ピエール)
150-152 et 154 rue de Menilmontant,20
メトロの駅 Pelleport(ligne 3bis)
7:30〜20:00(日曜日は7:00〜13:30)
月・火曜日休
ここはフリットガナの製法で作るプーリッシュ法のバゲットです。クラストはとても薄く、クラムはすごくソフト。味わいも深く、好み的には一番好きかもと思いました。横に長ーいお店で作っている様子が見れます。

COQUELICOT(コクリコ)
24,rue des Abbesses,18
メトロの駅 Abbesses(ligne12)
8:00〜20:30
月曜日休
とてもかわいいパン屋さん。コクリコとは花の名前みたいです。買ったパンを温めてくれるなど、フランスにしてはとても親切なお店でした。バゲットの生地にブルーチーズがごろごろ入っているパン(見かけはトレボンのグルニエのフーガスみたい)を温めてもらい、サクレタール寺院のふもとを歩きつつ、メデール氏と一緒に食べました。

LE GRENIER A PAIN(ルヴェルニエアパン)
38,rue des Abbesses,18
メトロの駅 Abbesses(ligne12)
7:00〜20:00
水曜日休
グルニエアパンはパリに何店舗もあるけれど、店づくりも商品もとてもすてきなお店です。お菓子やパンの種類も多く、焼菓子のラッピングなどもかわいく、もちろんおいしい。

BORIS PORTOLAN
29,Avenue secretan,19
メトロの駅 Jaures(ligne2.5)
月曜日曜日の午後休
MOF(フランス最高技能章)をもつ職人さんが最近開いたパン屋さん。赤小麦を使ったバゲットがありました。(少々焼きが甘く、メデールさんはいまひとつの評価でしたが…) お菓子も充実していてとてもきれいなお店でした。

Arnand Larhen(アルノーラエール)
53,rue caulaincourt,18
10:00〜19:30
月曜日曜日休
こんな場所に、こんな高級感のあるハイレベルのお方が… と思うと、お菓子業界では有名な(去年、日本に講習会で来日されました)アルノーラエール氏のお店でした。とても美しくおいしいお菓子がいっぱいでした。

買ったパンやお菓子をメデール氏のお店に持ち帰り、スタッフと一緒にシャンパンで乾杯して、いろんな味を試食しました。おいしかったー。車でパン屋をまわりながら、メデール氏といろんな話をしました。しかし、私のフランス語力では、ほんと会話に限界があります。でも、言葉ではなく、心で通じあえている気がしました。心で言いたいことがお互いにわかる。普段、言葉の通じ合う世界では忘れてしまっている大切な思いやりの気持ちなのだと思います。

K.O.
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