セ・トレボン --VOL.51--
コンクールに出してみて
2005.10.17
 旅に出るってやっぱりいい。最近ずっと忙しさにおわれてて、いろいろ考えてるつもりなんだけど本質の部分(根っこのとこ)を見失いかけてたなあって思った。場所を変え、いろんな情報に触れると、そんな大切なものが見えてきた。
 今回東京へ行ったのは、ガレットコンクールの最終審査発表へ参加するため、福岡から直径30cm弱のガレットを6台もかかえて東京へ行きました。朝早く焼いて、梱包して飛行機に乗って(これがまた満席で…すっごい大きな荷物でこわれやすい焼菓子だし、すごく気を使った)、電車乗りついでと、重くて大変だった。結果は…入賞できませんでした。でも審査員の一人である憧れのコムシノワの西川シェフが“おいしかったよー、ほんとおいしかった。味の評価は審査員(お菓子屋の重鎮の方々)みんなおいしいって一番良よかったんだよ。残念だったね”と声をかけて下さいました。(でも、結果発表の前にお会いしたので、ふーだめだったんだって始まる前に結果がわかってしまったのですが…)結果はだめだったけど、この言葉頂けてほんとよかったーって思えました。
 ガレットコンクールはほとんどお菓子屋さんが参加していて最終審査に残った人々の中にパン屋さんはちらほらでした。この会場には、本で見たことのあるお菓子屋の有名な方々がたくさんいらっしゃいました。お菓子屋さんの作るガレットデロアは美しい表情してる!が第1印象かな。私のは見た目の美しい仕上りのインパクトが不足していたのではと思いました。ガレットデロワって丸です。でもほんの2年前私は丸に焼くことさえもできなかったんです。いつも丸に焼きたくてもだ円になっていたんです。パイ生地って縮みやすいので、配合や作業を工夫してあげないと丸には焼き上がらないのです。丸に焼けないという初歩的なことをすごく悩んでいました。それから試行錯誤して、勉強し、丸に焼けるようになり、ガレットデロワコンクールの最終審査にも残れました。自分の中ではゼロからここまでやれた! と自信にはなりました。
 私はある目標を決め(何度も通信に書いてますが)今年はいろんなコンクールに挑戦して実力をつけようと友人のパン屋さんと決めました。その友人のパン屋さんは、応募したコンクールの1つ目で賞をとってカリフォルニア旅行にまで行き、次に応募したコンクールも最終審査に残りとすごくいい調子だったのですが、一方の私は4つのコンクールに連続して予選落ち。どこまで落ち続けるんだーと少々落ち込みぎみでした。やっと5つ目チャレンジしたコンクール、このガレットデロワコンクールで最終審査に残れたのです。ダメでも落ち込まず、あきらめず、がんばれの根性です。  落ち続けて見えてきたもの、普段の仕事にプラスコンクール挑戦で大変だったけど、挑戦することで見えてきたことがありました。私らしさを表現したパンを作るためには、基本のベースをきちんとかためた上で、ほんの小さなことだけどキラッと輝ける何かを(例えばクープの入れ方、成型の仕方などのちょっとした違いや工夫)表現できるようになることが必要なんだと思いました。昔からよく言われることだけど、普段できてないことは、本番で真剣にやればできると思ってもできないこということ。 毎日の1つ1つの作業の大切さ、その完成度を上げることが本番の強さにつながるということがよくわかりました。
 桜新町(東京の)にあるベッカライブロートハイム。業界では有名な明石さんのパン屋さん。リニューアルしてすごくきれいで大きくなり隣にカフェもできてました。そのカフェで元パンの会の渡邊政子さんと待ち合わせ、明石さんも一緒にお話しでき幸せでしたー。そしてパンも1つ1つがほんとおいしかった。大切なのはこのおいしさだと思いつつパンをかみしめた。粉からひきだされたうまみ・甘みなどほんものの味わい、そして明石さんのお客様に対するさりげない接客にも感動。スタッフの人もみんなとても感じいいし。パンの味といい、ホスピタリティといいほんとすばらしいパン屋さんでした。トレボンも、パンがおいしくて、居心地のいい、いつまでもみんなに愛してもらえるパン屋になれる様がんばっていきます。
 味では、おいしいといい評価を頂いた栗とフランボワーズのガレットデロワは来年1月限定で販売します、お楽しみに!
K.O.
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